【寄稿記事】京都の会社員がヘビロテする京都駅ランチ...
夏。京都の夏、盆地の夏は暑い。道端に落ちてる蝉もこの暑さでやられてしまったのでないだろうかと思えるほどに暑い。私たちは祇園囃子の音を聞きながら、四条烏丸を北上し烏丸御池でぶらついていた。私は現在大学生であり、月に1、2回ほど友人と共に京都の美味しい居酒屋などに赴くのが趣味である。そこで今回紹介させていただくのは、ここ“にこみ 鈴や”さんである。場所は烏丸御池駅から歩いて5分ほどのところ。店頭には鈴やと書いてあるのれんがかかっており、曇りガラスからは暖かみのある柔らかい光が溢れている。ガラスの向こう側では一体どのような料理が出てくるのだろうか。
まず店内に入るとカウンターの座席が10席ほどある。私たちは奥の座席に座り、とりあえずドリンクメニューを頼むことにした。流石にこれだけ暑いとやっぱり最初は生ビール。歩いている間の3分の2はキンキンに冷えた生ビールで頭が埋め尽くされていた。友人はお酒が苦手なので柳桜園ほうじ茶を頼むことに。素晴らしい割合のホップの生ビールを喉に流し込むと、一気に暑さのことなど忘れてしまった。友人のほうじ茶も非常に冷たく、普段飲んでいるほうじ茶より爽やかでかつ深みがあるように感じて非常に美味しかった。
にこみ 鈴やさんでは多くの食事をいただいたが、今回は特にその中で私のお気に入りだったものを紹介したい。それは近江牛もつ煮、かつお塩たたき、カモロース旨煮である。
まず、近江牛もつ煮。
やはり店名に“にこみ”とついているだけあって、非常に美味しい。口の中にもつ煮を放り込むと、一瞬にして口の中でほろほろと溶けていってしまう。暑い夏の中で、口の中では初冬の粉雪が溶けるかの如く、もつ煮は溶けてしまうのだ。横に添えてあるカラシとの相性もバッチリでペロリと平らげてしまった。
次におすすめするのはかつお塩たたきである。
近江牛のもつ煮をいただいた後、何かさっぱりしたお刺身が食べたくなり、鰹の塩たたきを注文。ごろごろとした鰹が出てくる。横にはレモンとカラシが添えられていた。早速レモンを絞り、鰹をいただくと、なんと爽やかなことか。鰹のたたきを食べ、先ほどのキンキンに冷えたビールを流し込む。鰹の甘味とホップの苦味が交互に口に襲いかかって、鰹の旨みがぐんと引き立つ。ぜひ、試していただきたい。
そして最後に、お勧めするのはカモロース旨煮である。
途中まで近江牛もつ煮や近江牛ハラミ焼き、親鶏もも焼などを食べて、お腹がいっぱいになってきたところ、胸焼けがしないかなと思いながら頼んだカモロース。予想は完全に裏切られた。胸焼けなど全くすることなく、それどころか鴨ロースを口にした瞬間にさっぱりと淡白な甘さが広がっていき、頬が落ちてしまいそうだった。ぜひ、にこみ 鈴やさんに訪れた際には食べていただきたい。
そして、最後の締めにちりめん山椒おにぎりを頼んだ。ちょうど2個だったので友人と分けるのにぴったりである。人が握ってくれたおにぎりを食べる機会はあまりなくなってしまった。目の前で、店主の方がおにぎりを握ってくれる姿を見ていると、小学生の頃の遠足の日の朝に母親が梅干とツナマヨネーズのおにぎりを作ってくれていたことを思い出す。今度自分でおにぎりでも握ってみようかと思いながら、少し大きめのちりめん山椒おにぎりを口に頬張って味わい、お会計。非常に満足度の高い夏の夜であった。今度は、そろりそろりと年末の足音が忍び寄ってくる音が聞こえてくる寒い時期にぜひおでんと熱燗をいただきに伺いたいものである。春夏秋冬、珍味佳肴。
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