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2024.7.16
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よこい

【開店秘話】名店の技を継ぐ五条の注目和食店[よこい]で風雅な懐石料理を

2023年12月1日 open

店主の横井さんが料理の修業を積むため、故郷の静岡から京都に移り住んだのは18歳のとき。寿司職人の父の背中を見て育ちその姿に憧れていた横井さんが、料理人を志したのは自然なことだったという。

よこい

店主 横井裕史さん 静岡県掛川市出身。寿司職人の父に憧れ和食の道へ。[高台寺和久傳]グループの店舗で12年間修業し、[二条やま岸]で4年間料理長を務め独立

「家業を継ぎたいと思っていましたが、父にまずは和食の基礎からしっかり学ぶように勧められまして」と横井さん。[高台寺和久傳]や[二条やま岸]といった京都の名だたる店で研鑽を積み、36歳で独立してこの店を構えた。

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横井さんが物件を探すなかで「見た瞬間に、ここだ!と思いました」とインスピレーションを感じた建物は、呉服問屋の名家だった築180年の京町家。

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「いかにリラックスして食事を楽しんでいただけるかを一番に考えて、調理場の使いやすさより席の居心地の良さを優先して店作りを行いました。数寄屋建築に長けた棟梁との出会いもあり、古い趣が活かされた空間になっています」。

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緩やかなカーブを描くカウンターは、人の出入りの多い入り口付近にも余裕を持たせるため。なぐりの意匠が施された床は、歩いたときの心地良い感触を想定したもの。

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床柱や大正ガラス、庭の灯籠・つくばいなど随所に当時のものが残り、上質な空間で非日常のひとときに浸ることができる。

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店で提供する懐石料理には季節感を大切にすることはもちろん、独自の新しいアイデアを織り込むことも心掛けているという。地元静岡のお茶を料理と一緒に組み合わせるアイデアもその一つだ。

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料理はすべて夜のおまかせコース2万7500円から。この日は甘鯛やそうめんの椀物。ダシの旨みを引き出す京都の地下水を使用。水出しを経てじっくり火を入れ丁寧に抽出し、雑味を抑えている

暑い季節は最初に水出しのさわやかな緑茶で喉を潤し、椀物の直前には盃に注がれた風味の濃いくき茶で口直し。

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寿司を目の前で巻いて手渡しするスタイルは[二条やま岸]から継承。卵黄を絡めたウニとマグロ、イカが贅沢に入る

最後には[和久傳]時代に身に付けた技で、横井さん自らが抹茶を点ててくれる。「一品ずつ味わっていただきながら、静岡のお茶の文化も感じてもらえたら嬉しいです」と時折のぞかせる地元愛が印象的だった。

よこい

コースの最後には横井さんが慣れた手つきで点てた宇治産の抹茶とお菓子が登場。粒餡ときな粉の串団子が定番なのだそう

よこい

  • 2023年12月1日 open
  • 京都府京都市下京区万寿寺中之町88
  • 地下鉄「五条駅」出口1から徒歩5分
  • Tel.050-1808-9510
  • 12:00〜15:00※月・金曜休
    18:00〜22:00
    完全予約制
  • 木曜休
  • 全席禁煙 完全個室有 駐車場無
  • https://kyo-yokoi.com
  • PHOTO/増田えみ、TEXT/板倉詠子、EDIT/澤村萌
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