京都で100年以上続く名品ヒストリー①[京都駅]の...
時代を超えて愛される名品には、代が変われど作り手の一貫した想いがある。今回は京都の名品に秘められた想い、そしてこれからについてを店主に聞きました。
地下鉄「五条駅」から南西へ徒歩1分。明治30年創業の全国各地にファンを持つおはぎの専門店。
惜しまれつつ三代目が店を閉めた後、2002年に孫である現店主の今西正蔵さんが復活させ話題に。もともと地域の人気店だけに美味しいのは当たり前、異業種からの転身は安易なことではなく、「納得できる味が安定したのは、ほんの数年前です」と、修練の日々を振り返る。
今も現役のおくどさんを使い、檜の棒でかき混ぜて作られる、手間を惜しまないあんこのおはぎ、そのまっすぐな味わいは一度食べたら忘れられない。
毎朝、ショーケースに作りたてが並ぶおはぎは、つぶあん、こしあん、きなこの3種各220円。皮までふくよかな仕上がりに笑みがこぼれるつぶあんには2日、ムースのように口溶けのよいこしあんには3日を費やしているそう。
持ちよりも味わいを重視し、水飴を使っていないから甘さがあっさり上品。つい「もう1個」と手を伸ばしたくなる、軽やかでみずみずしいおはぎ。瞬く間に売り切れ御免となるので、開店時間に合わせて訪れたい。
[今西軒]の美味しさを友人にお裾分けしたい。でも、当日お召し上がりのおはぎは遠方の方に渡せない。「なら、地方発送できるものをつくってよ」と常連さんからオファーを受けて始めたのが、あんこでもなく、ペーストでもない、茹で小豆そのものの、あんてぃーく980円。
もともとは親戚や知人に配っていたまかない的なアイテムだったのだそう。アイスクリームにのせたり、白玉を浮かべたり、無糖ヨーグルトに合わせても美味。
「毎日、工夫の連続で、時間があっという間に経ちます」と、正蔵さん。徹底的に素材を吟味し、季節によって浸水時間を微調整し、安定した美味しさを届けている。週末には、その実直な背中を見て育った息子さんふたりの姿も工房に。今後の[今西軒]から眼が離せない。
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