京都で100年以上続く名品ヒストリー④[三十三間堂...
時代を超えて愛される名品には、代が変われど作り手の一貫した想いがある。今回は京都の名品に秘められた想い、そしてこれからについてを店主に聞きました。
嘉永6(1858)年創業の[京なまふ麸藤]は、生麸の製造・販売を営む長い歴史を持つ老舗生麸メーカーだ。
伝統の相良麸をはじめ、料理に四季の彩を添える花麸やもみじ麸など、古来より代々伝わる伝統の製法を、令和の現代まで守り続けている。
鎌倉時代から貴重なたんぱく源として重宝されてきた生麸。生麸のなかでも、「お肉やベーコンのような使い方ができる」と、創業以来人気があるのは六条麸(2個入り)680円。
グルテンのみを使った麩に昆布だし、醤油、みりんなど伝統の味付けでじっくりと炊き込み、胡麻油で揚げた一品で、味がしっかりと染み込むように、あえて中にスが入るように作られているのが特徴だ。噛むと肉のような弾力のある歯応えで、噛むほどに旨みが口いっぱいに広がる。スライスしておつまみにしたり、サイコロ状にカットして卵とじにしたり、チャーハンの具材に使ったりと、便利な使い方がさまざま。通常の生麸とは異なる口当たりを楽しめる逸品だ。
定番の相良麸は、あわ麸、よもぎ麸、ごま麸が古くから愛されている看板商品。薄くスライスして、さっと茹でてから冷水で冷やして歯触りを整えてから刺身のように食べたり、汁物や煮物の具材として使ったり、焼いて田楽味噌を付けたりと、実は幅広い使い方ができる縁の下の力持ち的存在。
バジルやわさび、七味などの現代的にアレンジされたフレーバーもスタンバイ。特にバジルは薄くスライスしてサッと湯通ししてから、モッツァレラチーズとトマトと合わせるとイタリア料理のサラダ・カプレーゼにもできるそう。
一番人気で午前中には売り切れてしまうことが多いのが、笹巻麸(5個入り)1150円。皮に生麸を使った麸饅頭のことで、よもぎ麸の中にこし餡が入ったこしあんの他、栗と砂糖のみを使用した餡が入ったくりと抹茶麸に抹茶餡が入った抹茶の3種類がスタンバイ。こしあんは店頭に並んでいるが、くりと抹茶は予約orオンラインでの購入が可能だそう。
100年以上の歴史を持ち、京都の食文化を守ってきた[京なまふ麸藤]。「昔よりも少しずつ生麩の知名度は回復していますが、料亭や仕出し料理で食べるものというイメージが強いと思います。生麸をもっと皆さんに知ってもらって、食卓に気軽に登場する存在になれたら嬉しいですね」と四代目社長の中川邦広さん。
ストックしておくと、何かと便利な日本の伝統食の生麸。気軽に使えるものばかりなので、ぜひ家庭の食卓でも楽しんでみて。
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