北山の[蕎麦と料理 徳造]で和食の料理人による手打...
打ち出の小槌のロゴがかわいい暖簾をくぐると、ズラリと古いお面が並ぶ店内からはすでに老舗の香り漂う[つち福]。1905(明治38)年に屋台の夜泣きそばからスタートし、現在も創業から変わらぬ味を、四代目店主の谷垣良紀さんと母・いづみさん親子が守り続けている。
三代目店主の妻として[つち福]に嫁ぎ、以来長く店に立ついづみさん。実は「3.5代目」とも呼ばれ、店にとって非常に重要な存在だ。「18年前に三代目の父が亡くなりました。その後は母が毎日店に立って店を守ってきました。当時、僕は高校生だったんですが、その姿を見て初めて店を継ごうと決めたんです」と良紀さん。
そんな[つち福]では創業から変わらず、店で一からひいて作る無添加のダシが、100年以上経った現在でも同じ味が楽しめる。さらには定食や丼など、蕎麦店とは思えないほど豊富なメニューを持ち、全国各地からたくさんのファンが訪れる。
「二代目、三代目でメニューが増えて、今に至ります。僕の代では、にしん蕎麦にとろろをかけた「なると蕎麦」や年末だけですが昆布巻きなど、お客さんからの声を受けて復刻メニューを提供しています。僕の代でも、いつ来ても変わらない味を守り続けていきたい」と、若き店主が笑顔で話してくれた。
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