創業122年目の漬物専門店[京つけもの 大安(だい...
特別インタビュー
Katsumi Kitamoto
北本 勝実さん
1977年、南山城村生まれ。23歳からお茶づくりをし、カネカツ北本農園を4代目として継ぐ。28歳で煎茶から碾茶製造に切り替え独自ルートを切り開き、法人化も行う。2020年、91代目京都府茶業連合青年団の団長に就任し功績を残す。
何をすればおいしいお茶になるのか― 自らに問いかけてきた北本さん。大正時代からの農園を引継ぎ数年で気づいたのは「自らつくる茶葉がどんな茶になるかがわからない」こと。熱意があるからこそ、生産者がわからない煎茶ではなく、カネカツ北本農園がつくったとわかる抹茶の元となる碾茶に転換した。しかし、煎茶と碾茶では製造方法が異なり、茶の木も煎茶向きと碾茶向きがあるので茶畑から変える必要が。北本さんは「和束や宇治に勉強に行きましたが、気温・気圧・気流の流れなど南山城村とは違いますから、本なども読み独学しました。お茶は、茶畑が一番大事。茶畑でどれだけ良質の芽(茶葉)がとれるかが決め手です。」という。芽を摘んで工場へ持ち帰る。これだけでも生葉の衰えがはじまり、発酵がはじまってしまう。お茶は、本来それだけ繊細。最高に素晴らしい茶畑でとれた、茶葉の良さ100%の力を発揮させて消費者に届ける。それが、おいしいお茶に繋がるのだ。
北本さんは、高品質の碾茶をつくり加工品にも力をいれる。南山城村の道の駅で販売される抹茶ソフトクリームの原料にも使われるが、カネカツ北本農園が自ら考える商品もある。パスタやポテト料理との相性が良い「お茶ジェノベーゼソース」は、無添加のバジル・大葉・食べる碾茶を使う。他にも、お茶の加工品に必要な食材、例えば、茎ほうじ茶のフレーバーにレモンなど。これからはお茶に関するさまざまなことにも目を向け挑戦していきたいという北本さん。幾つになっても向上心がある人のお茶や加工品は、やはり違うと思えてくる。
つうえん/宇治
玉露「夢の浮橋」2700円/50g、玉露「茶道楽」2700円/30g、抹茶「太閤さん」5400円/30g。小ぶりでかわいい、茶だんご10本入540円
宇治橋のたもとに店を構える永暦元年創業の茶舗。老舗の目利きで選んだ宇治茶を普段使いからハイランクの品まで幅広く扱い、令和2年京都府認証のプレミアム宇治茶も4銘柄が並ぶ。買い物客には試飲の接待もあり、江戸時代に建てられた町家の遺構を残す空間で一服のお茶を楽しみにやってくる常連客もいるそう。また宇治川に臨む茶房も併設する。
通圓
つうえん
まるきゅうこやまえん にしのとういんてん/西洞院御池
薄茶「雅の院」と和菓子1200円。和菓子は日替わりの上生菓子が3種類ほど用意される。抹茶のロールケーキ800円
元禄年間創業の宇治茶の老舗[丸久小山園]が街中に構えたショップ&茶房。築約120年の町家を利用した店内には自社の宇治茶やお菓子が種類豊富に揃い、西洞院店限定ブレンドの抹茶・玉露・煎茶も手にすることができる。店の奥には坪庭に臨む茶房が設けられ、落ち着いた雰囲気の中で上質なお茶と和菓子やオリジナルスイーツの相性を楽しめる。
丸久小山園 西洞院店
まるきゅうこやまえん にしのとういんてん
みちのえきおちゃのきょうとみなみやましろむら/南山城村
「のもん市場」では茶葉やお茶スイーツなどお土産にぴったりなオリジナル商品を販売。「村茶屋」には村抹茶ソフトクリームや抹茶サンデーも
京都府で唯一の村・南山城村の観光拠点となる道の駅。お茶を使ったオリジナル商品や新鮮野菜が並ぶ「のもん市場」、テイクアウトのお茶スイーツを販売する「村茶屋」、村の風土を感じるメニューが揃う食堂「つちのうぶ」、観光やイベントに関する情報を発信する「むらびぃと」などを併設。お茶をはじめ、南山城村で育まれた食材や文化に触れられる。
道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村
みちのえきおちゃのきょうとみなみやましろむら