創業122年目の漬物専門店[京つけもの 大安(だい...
特別インタビュー
Satoshi Yamada
山田 作登司さん
1962年、京都府生まれ。家業の農家を継ぎ、京たけのこに、京都府長岡京市農林産物品評会で受賞をするレベルの高い米や白菜、柿などを栽培する。現在は、妻や長女も手伝い、山田家一家で、和気あいあいと真剣においしいものを作り出す。
手作業で育てる有機栽培の京たけのこ。収穫時期は3月中旬から5月上旬頃までというが、ミシュラン二つ星店など名店との取引も多い山田農園の山田作登司さんによれば「西山地区内長岡京市は、ソメイヨシノが散り始めて、八重桜が3分咲きの頃の4月上旬から4月中旬までが最盛期です」。この頃は、毎朝5時頃からホリと呼ばれるタケノコ専用鍬を使い、93歳の父長作さんや息子の雅也さんと3代揃い掘り出す。雅也さんは「最初は真似から。ホリを真っすぐさしてタケノコが左右どちらかに動くのを感じて、根を切り掘ります」と話し、この職業は感覚が左右するので経験を積む大切さ、先祖による土の重みを感じるという。
おいしい京たけのこに一番必要なのは何かと問えば、作登司さんは「土です」と即答。京たけのこの収穫が終わったら、竹の管理に入り、除草剤を蒔かず雑草を刈り、石を手でとる。秋になれば、藁を入れて土をかぶせ、かなり重労働な土入れ作業を約1ヶ月、竹やぶ全てに行う。丁寧にコツコツと1年間の管理が必要な京たけのこ。その竹藪に行き土の上を歩くとフカフカする。これが適度な水分を補給しながらタケノコを育み、掘り出されるまで土の中で育つ要因。作登司さんは「西山地区の気候風土、そして先祖が育ててくれた[土]は、おいしい京たけのこをつくるのに不可欠です。新鮮な朝掘り京たけのこは独特のエグみが少なく柔らかいので、米ぬかを使わず短時間で茹で上げられます」。
驚くのは、掘りたては薄く切り生で食べられるほど新鮮で、甘味があること。今なら名残りが間に合うものの、来年が待ち遠しくなる。
ぎおんにしかわ/祇園
筍の時期の懐石から一例。名店の出汁が香る筍真丈と姫皮素麺、魚介の旨みが凝縮されたタレと炭火で香ばしく仕上げる筍の鬼皮焼き 花山椒添え
宇治橋のたもとに店を構える永暦元年創業の茶舗。老舗の目利きで選んだ宇治茶を普段使いからハイランクの品まで幅広く扱い、令和2年京都府認証のプレミアム宇治茶も4銘柄が並ぶ。買い物客には試飲の接待もあり、江戸時代に建てられた町家の遺構を残す空間で一服のお茶を楽しみにやってくる常連客もいるそう。また宇治川に臨む茶房も併設する。
祇園にしかわ
ぎおんにしかわ
きんすいてい/長岡京
たけのこづくしコース1万5180円ほか、たけのこ会席は5月下旬まで味わえる。お土産には自家製タレで炊き上げたたけのこの佃煮各864円を
1881年創業。八条ヶ池を縁取るように数寄屋造りの座敷が並び、風情ある景色のなかで季節の京料理が味わえる。なかでも名物は、春のたけのこ会席。長岡京にある藪で店主らが自ら手入れし収穫したものを主体に、京都西郊産のたけのこをコース仕立てで供する。白く、サクっとやわらかな食感のお造りをはじめ、たけのこ料理の認識を格上げする品ばかり。
錦水亭
きんすいてい
きょうのあじどころ うおす/長岡京
通年味わえる竹の子姿ずし1595円。筍をくり抜きすし飯を詰めるのも職人技。笹の爽やかな風味が広がる笹羊羹495円、筍入豆乳アイス440円(テイクアウト・お取り寄せは価格が異なります)
京たけのこの真っ白な色味と柔らかい歯ごたえを生かした「竹の子姿ずし」が名物。ほど良く湯がき丁寧にさらした筍を独自の味付けで炊き、筍や柚子、木の芽を混ぜ込んだすし飯を詰めた一品は、シャキッとみずみずしい食感と春の味覚の滋味を感じる他にはない味わい。デザートやおみやげにぴったりの筍入りスイーツも人気。お取り寄せもできるのでチェックして。
京の味処 うお寿
きょうのあじどころ うおす