[京都髙島屋S.C.]の初売りは1月3日(金)から...
2023年9月18日 open
Made in Kyoto=「京もの」。京都の伝統あるものを継続しながら、新しいことに挑戦する店や人には、それぞれストーリーがある。
手描き友禅という伝統技法を使い、季節が表す色を大事にしてきた作家の小川光章さん。「光章」を屋号に京都・伏見の地に友禅工房を構え数年。ある時、お客様から着物以外の手描き友禅を依頼される。それが“インテリア・オブジェとしての布”。依頼主がショップを開くために色彩豊かな布を探し、思うものがないことから小川さんにお願いをした。
今回、お話を聞いた中村さんは「友禅という伝統工芸の日本の色。その色彩を大切に、着物だけにとらわれずさまざまなモノを、『布アート』と捉えて制作をしている中で、お客様からバッグが欲しいという要望があったこと。またお客様が使っていた扇にヒントを得て創作し、ougiバッグが完成したと聞いています」。
2012年頃に東京インターナショナルギフトショーに出展。その後、国際見本市『メゾン・エ・オブジェ・パリ』出展を経て、気付けば[ニューヨーク近代美術館(MoMA)]のミュージアムショップやヨーロッパ、アメリカ、アジアのセレクトショップで販売されるなど、国際的にも評価が高いバッグへ。
中村さんは「ougiバッグは、まるで扇が開いたように、内側から挿し色が覗く京都の粋を表現したトートバッグです。銀閣寺水墨画の世界をイメージした墨色(黒)に、嵯峨野の竹林に咲く椿をイメージした紅色(赤)など日本の伝統色を、作家自らイメージしなおして表現しています。友禅とは違う布アートとして制作していますが、お客様から丈夫なバッグが良いというご要望があって帆布を使用。帆布と聞くと重いイメージ持たれるかもですが、とても軽いんです。一度持っていただくと驚かれる方が多いですよ」。
帆布を使う、扇をイメージした独創的なデザインが人気のougiシリーズから、いまでは伝統的なシャトル機械で織られた岡山セルビッチデニムのougi denimだったり、国産ナイロンの上品な光沢も美しいと人気のougi nylonだったり。トートバッグ、ショルダーバッグ、ポーチなどスタイルもさまざまに展開。こんな話もある「ナイロンは、お客様から雨に濡れても良いようなバッグが欲しいというご要望から生まれたんです。」と中村さん。
季節ごとに販売される限定色をはじめ、定番の日本の色の組み合わせなど、好きな色合わせで選ぶ人もいれば、荷物の多さによってサイズやカタチを選ぶ場合も。使うほどに馴染み、少し型崩れをしてきた感じもちょうど良い味になっていくのも面白いバッグ。値段もお手頃なのが嬉しい。
お客様の声を聞くこと。作家・小川光章さんが徹底してきたことの一つでもあり、その人の願いを叶えたいという小川さんの思いがカタチになっていく、人と人とのつながりのようなものを感じる。友禅作家として、さまざまな着物を創作してきたなかで、自らを代表する布アートの意匠をプロデューサーとしてつくることを目指し完成した「ougiバッグ」。
「ougiバッグ」は、意匠権を取り誰もが真似できない唯一の意匠。このデザインを使って次なる展開は、小川さん自身ではなく未来に託したい思いがあるそう。若い方にこのデザインを使ってもらい、伝統に新しい息吹を吹き込み繋いで欲しいと願う。
日本の伝統色だけ、扇をイメージしたデザインだけ、丈夫で軽い布だけというパーツごとに素晴らしいだけではなく、すべてが調和して和装にも洋装にも似合う使い勝手の良いバッグ。京都で生まれた息の長いロングセラーな逸品だ。
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