二条の人気店が今出川で再始動[京都チーズケーキ博物...
[鵜殿]創業者の鵜殿忠秋さんは、日本のカステラ発祥の地である長崎県の生まれ。有名カステラ企業で職人として働き、東京、横浜、名古屋とさまざまな支店でカステラ製造に従事した。京都勤務時代に販売員として働いていた成子さんと出会い、結婚を機に独立。50年以上が経った今も、成子さんが包装作業をしながら店先に立ち、明るい声でゲストを出迎える。
抹茶、チョコ、紅茶、ほうじ茶などカステラは全6種だが、7~8割のリピーターはプレーン推し。創業当初から大切に使われてきた秤やオーブンに囲まれて、作業を進める父・忠秋さんと息子・喜隆さんの息はぴったり。現在は喜隆さんが出来を大きく左右するオーブン前での作業を担当し、忠秋さんが生地づくりで喜隆さんをサポートしている。
「添加物を一切使用しないので、焼き加減を調整するのが一番難しいんです。気温や湿度による変化を見極め、材料を混ぜる時間やオーブンから取り出す時間を微調整します。1分早く出すだけで表面がボコボコになったり、1分長く入れるだけで固くなってしまったり。昔は失敗もたくさんしました」と喜隆さん。独立し、取引先がどんどん増え、忙しさがピークの時代には、夜中もずっとカステラを焼き続けたという。経験からくる忠秋さんの無駄のない動きはまさに職人そのもの。
オーブンから取り出し木型をはずしたカステラに見惚れていると、隣で成子さんからアドバイス。「日持ちする技術は発達したとは言っても、なるべく早く食べてもらいたいわ。早い目の方が絶対に美味しいからね」とのこと。
1.計量
昔ながらの1回で使う卵75~80個に適した、上白糖、グラニュー糖、小麦粉、ハチミツ、水飴の分量を計測しておく
2.生地づくり
使い込まれたマシンでまずは卵と砂糖を10~15分ほど混ぜ、もったりしてきたら小麦粉を加える
3.漉す
ダマのない状態になったらミキシングマシンからボール部分をはずし、半分ずつ漉す
4.木型に流す
なめらかになった生地を木べらを使いながら、材料を無駄にしないよう木型に流し込んでいく
5.焼く
170~180度のオーブンで約1時間。途中で水を霧吹きしながら熱が均等に行き渡るよう中混ぜする
そんな人情味溢れるカステラ専門店[鵜殿]とコラボレーションによって生まれた京カステラは、取材して見つけた“おいしい”の逸品を揃えたセレクトショップ[M KYOTO STORE by Leaf]にて販売中。JR京都駅直結の[京都タワーサンド]1階にあるので、出張先や友人へのお土産探しに立ち寄ってみて。
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