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2018.9.15
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仲秋の名月PartⅡ・月うさぎと京のうさぎ神社「岡崎神社」

月にはうさぎが棲んでいるーー。子どもの頃に大人たちから、そう聞かされて、満月を見上げてうさぎの姿を懸命に探したものだ。

うさぎ(フリー画像)

ところで、なぜ月にうさぎが棲んでいるのだろう?

月の面に浮かび上がる模様(クレーター)が、うさぎが餅をついている姿だといわれるが、それには「満月=望月(もちづき)」という語呂合わせから、餅つきになったとの説がある。
また、お隣の国・中国では、月うさぎは不老不死の霊薬を作り続けていると伝承されているようだ。

月とうさぎの関係を取材してみると、どうやら月の模様がうさぎに見えるだけではなさそうだ。

うさぎが妊娠してから出産するまでの日数と、月の周期(新月から次の新月まで)はほぼ同じという。一年中繁殖でき、何度も出産するその習性も、月の再生と重ねられた。

古来より、日本ではうさぎは縁起の良い動物として知られている。常に前進し、跳ねるのが得意なうさぎは「前進」「跳躍」として喜ばれ、母うさぎは一度にたくさん子うさぎを産むことから、子孫繁栄の象徴でもあった。うさぎを表す漢字「兎」が「免」と似ていることから、厄災を免れるともいわれる。ほかにも、月はその読みがツキ(運が開く)に通じ、月と縁の深いうさぎもまた、ツキのある動物だとされる。

うさぎを氏神の使いとするのが、京都市左京区岡崎にある岡崎神社だ。平安京遷都の際に、王城鎮護のために平安京の四方に建立された社の一つで、東の方向に鎮座し、ご祭神は子授け安産の神でもある。


岡崎神社

もともとこの一帯は野うさぎの生息地であり、うさぎは多産であることから氏神様の神使いとされてきた。十二支の卯(うさぎ)が方位では東を表すことも、うさぎがこのお社の神使いとなっていることに関係があるようだ。

岡崎神社は通称、うさぎ神社として親しまれる。その境内では、狛犬ならぬ狛うさぎが迎えてくれる。


うさぎの狛犬(岡崎神社)

手水鉢のうさぎは、月を体に満たしたうさぎで、うさぎに水をかけ、お腹をさすって願い事をすると叶いやすいそうだ。うっかり見落としてしまいそうな所にも、うさぎがいるので、探してみるのも楽しい。子授け安産にかぎらず、良縁や夫婦円満にもご利益があり、参拝者に人気がある。


手水鉢のうさぎ(岡崎神社)


金運・縁結び招きうさぎ(岡崎神社)


岡崎神社の提灯にもうさぎ模様が

さて、とても愛らしい姿をしているうさぎ。その容姿からは想像できないが、動物界では最強といわれるほど、一年中発情期が続くと聞いた。多産と出産期の多さから、東洋では子孫繁栄とありがたがられる。だが、場所を西洋に移すと、性的欲望の象徴となり、あまり良い捉えられ方をしていないようだ。絵画で聖母マリアの足もとにうさぎが置かれるのは、性欲にマリアの純血が打ち勝つ構図だとのこと。

ちなみに、世界に目を向けると、月に棲むのはうさぎばかりではなかった。男性や女性、ピエロからカニやカエル、ワニなどの動物まで、国によってさまざまで興味深い。

もうすぐ仲秋の名月を迎える。京都でも陽が沈むと秋の虫の音がにぎやかになり、ずいぶん涼しくなってきた。台風21号の被害で観月の催しが中止されたところもある。今年は夜空の名月を仰ぎ、月のうさぎに思いを馳せながら、この夏に連続した災害からの復興を願いたい。

 


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京都の摩訶異探訪とは

京都の街のどこでも存在する伝承。それは単なる絵空事ではなく、この現代にも密やかに息づき、常に人々と共存し続けている。1200年余りの歳月をかけて生み出された、「摩訶」不思議な京都の「異」世界を、月刊誌Leafで以前「京都の魔界探訪」の連載をしていたオフィス・TOのふたりが実際にその地を訪れながら紐解いていく。。

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