蘇嶐窯は京都・東山の東大路通に面して工房兼ギャラリーを構え、代々青瓷の色を守り受け継いできました。磁土に顔料を混ぜ込む手法は「練り込み青瓷」と呼ばれ、一般的な青瓷よりも工程や手間が多くかかりますが、深みのある独特の青を生み出すことができます。この伝統を守ってきた4代涌波蘇嶐に福岡・小石原焼の技法を受け継ぐ職人が嫁いがことをきっかけとして 異なる産地のふたつの技を融合した蘇嶐窯を立ち上げ、夫婦での創作活動がスタートしました。以来、蘇嶐窯の代表作となったのが「飛鉋」シリーズです。
飛鉋は小石原焼に伝わる独特の文様で、その手法も独創的。練り込み青磁の生地に、古時計のゼンマイを用いることで、削られた溝に釉薬が溜まって模様が浮かびあがるというものです。
練り込み青磁のほか、白磁の生地や、線紋の下に青磁の釉薬を掛けたデザインのバリエーションもあります。