島根県浜田市で生まれ育った竹中さんが料理人を志したのは、大学生の時のこと。「バイト先のレストランで、料理人ってかっこいいなと憧れて。卒業後はサラリーマンとして働いていましたが料理人になる夢が諦めきれず、24歳でこの世界に入りました」。念願の料理人としてイタリアンで修業を積み、30歳で独立。地元の浜田で開いた［ミアパエーゼ］は、遠方から人が訪れるほど評判の店となった。それでも「ワンランク上を目指したい」と今年5月に店を閉めて京都に移り、新たな挑戦としてこの店を開いたそう。

料理は約10品が登場するおまかせコースのみ。島根から届く大あなご・アマダイといった新鮮な魚介や、［熟豊ファーム］の味わい深くヘルシーなサステナブル和牛など、地元の自慢の素材が主役だ。野菜は大原から仕入れ料理には地下水を使うなど、島根と京都の素材を合わせて一皿が完成。

イタリアンの枠にとらわれず、素材の魅力を最大限に引き出したイノベーティブな料理が五感を刺激する。現地で買い付けた台湾のお茶などと組み合わせたティーペアリングやワインペアリングもおすすめだ。

「スーツを着て訪れるような店ではなく、リラックスして料理を楽しんでもらえる店になれば」と竹中さん。フルオープンのキッチンで味わえるライブ感も魅力のひとつ。全員が浜田出身というスタッフの温かいもてなしに、心も和んでいく。