京都駅近くで見つけた!家庭料理の延長のような安心感...
2020年秋からYouTube配信が開始された『おやじキャンプ飯』が、今冬からシーズン3に突入。チャンネル登録数は15万人を超え、キャスト・スタッフの想像を超える広がりを見せています。主演の近藤芳正さんも2020年から京都に移り住んで4年目。東京からやってくる知人に「『京都駅あたりで良いお店教えて』と聞かれることが増えてきました」。と言うことで、未来の行きつけを探しに京都駅の南、さらに東へ、グルメ散歩していただきました。
JR京都駅八条口の新幹線乗り場から歩いて数分。旅人や仕事帰りの人たちが京都の余韻を楽しむワインバー。
「本当に飲んでもらいたいものだけを」と、ソムリエの堅田善孝さんが仕入れるワインは、グラス約12種、ボトルストック2000本以上という充実ぶり。フードメニューには、自家製ロースハムやパテ・ド・カンパーニュの他、パティシエの妻・恵子さんが担当するスイーツも記され、ワインとおやつの甘美な時間が過ごせる。
「同業者の人をお連れするなら、2Fの落ち着いたテーブル席でボトル開けるのもいいなぁ」と近藤さん。
初来店で驚いたのは、創業者の名を掲げたテント屋根から受ける庶民感と、二代目・中川美枝子さんの麗しい佇まいのギャップ。
「常連さんが、太ったんちゃう? 髪切った?ってチェックしてくださるんで(笑)。母が美を保てている理由は、そこちゃいますかね」と、娘の育美さん。さらに席について驚くのが、提供する料理のボリューム。
食べやすくカットしてくれる新鮮なレバーやミノフライをビールで流し込み、鰹風味のダシに自家製の甘ぎつね、すりたての生姜をたっぷり浮かべた名物の鍋焼きうどんへ。このルーティンが近藤さんの心身を温める。
現在の地に移転して35年、母・あい子さんが創業した年からだと約55年。ご近所さんから修学旅行生まで、老若男女を大らかに迎え入れてくれる、ママの岡田茂美さん。
噺家のようなマシンガントークと、手作りの肴をさりげなく出してくれるやさしさに、近藤さんも心を掴まれた。
目の前で手際よく焼いてくれる主役メニューは、お好み焼、焼そば、マンボ焼と大きく分けて3タイプ。
スジやイカなどは事前に下茹でしてあるので、どれもビジュアルから想像するよりあっさり。食べて、話して、笑うことが、人生の活力だと教えられた一軒。
ーーー旅行者にとっては玄関口だけど、わざわざ行く京都人は実は少ない京都駅周辺。近藤さんにとっても、また未開の地だそうですね。まずはナチュールワインとおやつが楽しめる[ALKAA]からのスタートとなりましたが、いかがでしたか?
近藤/八条口側、それも[アバンティ]の裏ってなかなか来ることがなかったんですけど、路地手前に看板があったからすぐにわかりました。東京の知人と食事をして、新幹線の時間までまだ少し時間がある。そんな時に、ゆっくり話せるところあるんですよ、って2軒目にお誘いしたいですね。
コーヒーもビールも置かず、あるのはワインだけというこだわりが京都らしいというか。東京の店だと、きっとビールかコーヒーを置いちゃうと思う。
ーーー昼下がりのシャンパンで気分を上げてから、近藤さんお気に入りの[糸ちゃん]へ。通い始めたきっかけは何だったのですか。
近藤/まだ東京に住んでいて、撮影のたびに行き来していたころ、京都の友人に連れてきてもらったんです。「失いたくない、古き良き京都の風景がここにあるんですよ」って。そこから京都に来るたびに寄るようになって、ミノフライをつまみにビールを飲んで、鍋焼きうどんを食べる、というのがお決まりになりました。
いつ来てもすごく綺麗にされている、お母さんと娘さんに会うのも楽しみ。お店は下町風情なんだけどおふたりに品があるから、人を連れて行きやすい、とっておきのお店です。
ーーー最終目的地は[糸ちゃん]からも近い[あいこちゃん]。ここは編集部もずっと気になっていたお店でして…。
近藤/そうだね。行ったこと自体が話のネタになるインパクトでした。まだまだ知らない京都があるんだなぁって。
最初はちょっと緊張したけど、ママさんがKBS京都の『おやじ京都呑み』見てるよ~って言ってくださって嬉しかった。ソースとビールは合うよね。イカと油かすのシンプルなマンボ焼も、ママさんのおすすめらしいから、次はそれにしようかな。マイペースでチャーミングなママさんに、パワーをもらいました。
ーーーマイペースで憎めない、といえば『おやじキャンプ飯』の主人公・明夫さん。シーズン3の見どころを教えてください。
近藤/今シリーズではヒロインに中山忍さんをお迎えして、大人のロマンが描かれていくんです。
まさか、あの明夫さんに恋愛願望が!と言われるし、最初は僕もそう思いました(笑)。
他にも個性的な女優さんが登場しますし、いつもは中華料理ばかり作って食べさせているけど、今回はちぎりパンや滋賀県のソウルフードも登場しますよ。
ーーー予告動画でつぶやいている「人に気を使わなくていい、空が見れる、変な魚も食える、いい出会いもある。いいんだよ、おれはこれで」というセリフ、なんだか沁みました。近藤さん自身、これまでの京都暮らしを振り返ると?
近藤/『おやじキャンプ飯』あり、京都が舞台の主演映画『事実無根』あり、『ブギウギ』も大阪で撮影だから、ここのところしばらく東京に行く時間がなかったという、ありがたい状況でした。こないだ4ヶ月ぶりに仕事で東京に行ったら、しゃべるのも、歩くのもみんな速く感じて。京都での月日を重ねて、僕は京都がよかったんだなぁって、もう戻れないなぁって思います。
ーーー生活する場として、京都のサイズはちょうどいいかもしれませんね。
近藤/刺激や情報が多い東京というエンターテインメントのど真ん中にいると、見えなくなっていたことがある気がしていて。周囲に芸能関係者が多くて、好き嫌い関係なくあらゆるエンタメをチェックして、分析して、評価するのが東京。これまでエンタメが人生の真ん中にあったけれど、京都で暮らすとそれ以外の大切なものが見えてきました。
ーーー2024年、新しく始めてみたいことや目標はありますか。
近藤/最近ね、念願の茶道を始めたんですよ。絶対に怒らないめっちゃやさしい先生に出会って。お茶、すごく楽しいです。京都でご縁を大事にしていたら、本当にいろんな方と繋がれて、それがなにより嬉しいこと。だから今は、夢とか目標とかいらないんじゃないかって、思い始めているんです。やりたいことって、求めすぎちゃうと反対にやって来ないって聞いたことがあって。明夫みたいに「これでいい」って思えると、心に隙間ができて望んだことがやって来るんじゃないかな。欲張らず肩の力を抜いて、求められたことで人の役に立てれば嬉しい、そう思っています。
主人公は、コロナ禍の影響で店をたたみ、キャンプ場で暮らす元中華料理店主の坂本明夫。シリーズ1の京都編、シリーズ2の和歌山編を経て、たどり着いた最新シリーズの舞台は、滋賀県内にあるキャンプ場。他人に惑わされることなく気ままに生きる明夫の前に美しいヒロインが現れ、思わぬ展開を見せる全6話。2023年12月22日からYouTubeで順次公開中。
監督/馬杉雅喜
脚本/三井玲衣、江藤直樹、馬杉雅喜
製作/株式会社シネマズギックス
出演/近藤芳正、中山忍、長沢裕、田辺桃子、しゅはまはるみ、岩下拓渡
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