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2023.12.26
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京都のランドマーク!世界遺産[東寺]の見どころと歴史をご案内

京都のランドマーク!世界遺産[東寺]の見どころと歴史をご案内

京都の市中、[平安京]の遺構として今なお存在感を放つ、真言宗総本山[東寺]。正式名称は教王護国寺(きょうおうごこくじ)といい、平安遷都に伴い建立された。後に弘法大師空海に下賜され、日本初の真言密教寺院となる。創建以来の伽藍配置が残る境内は史跡に指定され、国宝や重要文化財も数多く所蔵。なかでも五重塔は、京都のシンボルとして名高い。
[東寺]は京都駅からアクセスしやすく、駅周辺を観光する際におすすめの場所だ。
今回は、世界遺産にも登録されている[東寺]の見どころと歴史を詳しく紹介。桜・紅葉のライトアップや、毎月開催される弘法市も併せて訪れてみて。

1.【東寺の見どころ①】日本で最も高い「五重塔」は京都のシンボル

[東寺]の見どころといえば、国宝の五重塔。新幹線の南窓から人々を歓迎しているかのように見える姿は、まさに京都のランドマークタワーだ。その高さは約55メートルに及び、木造の建造物としては日本で最も高い。
五重塔は落雷などが原因で何度か焼失しているが、繰り返し再建されてきた。現在の建物は1644(寛永21)年に徳川家光によって再建奉納されたもので、五代目にあたる。

東寺の桜

五重塔(国宝)(画像提供:東寺)

また、五重塔初層内部には、仏像や壁画によって密教の教えを表現した空間が広がっている。通常は非公開だが、毎年正月と春・秋の特別公開の期間中には拝観可能に。公開スケジュールに合わせて、足を運んでみてほしい。

2.【東寺の見どころ②】密教の教えを視覚化した講堂の「立体曼荼羅」

真言宗総本山である[東寺]ならではの見どころが、講堂(こうどう)にある立体曼荼羅(りったいまんだら)だ。
まずは、重要文化財の講堂について。大伽藍の中心に位置する講堂は、839(承和6)年に完成。1486(文明18)年に金堂や南大門とともに焼失するも、5年後の1491(延徳3)年にいち早く再建され、現在に至る。講堂が密教の教えを広める中心的な存在だったからこそ、再建を急いだのかもしれない。

東寺 講堂

講堂(重要文化財)

講堂内では、21体の仏像によって壮大な曼荼羅が具現化されている。曼荼羅とは、密教の教えをわかりやすく表現したもの。その曼荼羅を人々によりリアルに伝えるために、空海は立体曼荼羅を構想した。
羯磨曼荼羅(かつままんだら)とも呼ばれる立体曼荼羅は、[東寺]を巨大な曼荼羅になぞらえている。曼荼羅の中心に大日如来が描かれているように、立体曼荼羅の中心には大日如来像を安置。講堂の須弥壇と四方に配置された21体のうち、平安時代初期より現存する15体は国宝に指定されている。なお、近年に1体が国宝附指定となったため、合わせて16体もの国宝が揃う光景は必見だ。

立体曼荼羅配置図 ※Leaf編集部作成

立体曼荼羅の中央で円形に並んでいるのは、大日如来を含む五智如来(ごちにょらい)で、5体全てが重要文化財だ。大日如来に向かって右側には、金剛波羅蜜多菩薩(こんごうはらみったぼさつ)を中心とする五大菩薩が鎮座。また、不動明王を中心とする五大明王(ごだいみょうおう)が左側に。そして四方には、四天王と梵天(ぼんてん)、帝釈天(たいしゃくてん)が如来、菩薩、明王を守るように配置されている。
立体曼荼羅をひと目見れば、密教の世界にぐっと引き込まれるだろう。

3.【東寺の見どころ③】世の安寧を願う金堂の「薬師三尊像」

金堂にある薬師三尊像も、見どころのひとつ。

796(延暦15)年の東寺創建から最初に着工した金堂は、[東寺]の本堂にあたる。1486年に焼失した後、1603(慶長8)年に豊臣秀頼によって再建された。宋の様式を取り入れた天竺様と和様を折衷した桃山時代の建造物として、現在では国宝に指定されている。

東寺 金堂

金堂(国宝)

そんな金堂の本尊が、あらゆる病から人々を守るといわれている薬師如来だ。台座をぐるりと取り囲むのは、迫力ある十二神将(じゅうにしんしょう)像。その右側に日光菩薩(にっこうぼさつ)、左側に月光菩薩(がっこうぼさつ)が安置されている。
この薬師三尊像は金堂とともに焼失してしまったが、桃山時代を代表する仏師の康正(こうしょう)によって復興され、重要文化財に指定されている。昔から世の安寧を願ってきた薬師三尊像に、静かに手をあわせてみては。

東寺 金堂 屋根

金堂の屋根には龍が姿を見せている

4.【東寺の見どころ④】賑やかな「弘法市」も楽しんで

[東寺]の見どころは、歴史ある建造物や仏像にとどまらない。毎月21日に開催される弘法市は、活気溢れる魅力的なイベントだ。

もともとは、毎月21日に御影堂(みえどう)で行われる御影供(みえく)の法要に参拝する人が増え、茶屋が店を開くようになったのがはじまりといわれている。今では境内に1000軒近くの露店が軒を連ね、老若男女問わず、多くの人で賑わうように。

弘法市

画像提供:東寺出店運営委員会

弘法市の露店では、骨董品や雑貨などが販売されている。フリーマーケットとの違いは、一般人ではなく、専門店が出店しているところ。
弘法市も覗いてみたいという人は、21日の「弘法さんの日」に[東寺]を訪れよう。思いがけない掘り出し物やお気に入りの品物と出合えたら、弘法さんがご縁を結んでくれたのかも。

5.【東寺の年間イベントスケジュール】

●桜と紅葉のライトアップ
桜と紅葉のシーズンを迎えると、夜間の特別拝観として境内のライトアップが行われる。ライトアップされた夜桜や紅葉は幻想的で美しく、目に焼き付けておきたい光景だ。もちろん、桜や紅葉を背景にそびえ立つ、荘厳な五重塔とのコントラストも見逃せない。

東寺のライトアップ

画像提供:東寺

さらにライトアップとともに、金堂・講堂の夜間特別拝観も開催される。昼間とはまた違う[東寺]の雰囲気を体感できるので、ぜひ夜の京都観光プランに取り入れてみて。
拝観時間は18時~21時30分で、受付は21時まで。入場料は大人1000円となっている。
なお、夜間ライトアップでは普通車の駐車料金が1000円となる点に注意。

東寺

画像提供:東寺

●特別拝観
毎年正月には、新春特別拝観が行われる。また、春の3月20日~5月25日に春期特別公開、秋の9月20日~11月25日に秋期特別公開を実施。
この期間に限り[宝物館]が公開され、[東寺]所蔵の仏像や絵画、書跡などさまざまな文化財が展示される。長きにわたり受け継がれてきた宝物に触れられる、またとないチャンスだ。
同時に、通常非公開の五重塔初層内部も公開される。ただし、五重塔初層内部の一般公開は年に数回あるので、定期的に東寺ホームページを確認するのがおすすめ。

●弘法市
弘法市は毎月21日に開催される縁日で、基本的に雨天決行。せっかくなら「弘法さんの日」に合わせて参拝し、観光も買い物も楽しもう。
弘法市の準備は朝5時の開門に合わせてスタートし、8時ごろにはほぼすべての店が開いているという。そして日没の16時ごろには店仕舞いするのが、1日の大まかな流れだ。開店・閉店の時間は季節や天候、出店者によって変動するので、事前にチェックしておくと安心。
・東寺弘法市ホームページ:http://www.touji-ennichi.com/
・公式Instagram:https://www.instagram.com/toji_koboichi__official/

6.【東寺の歴史】平安の時代から災禍を乗り越え、祈りをつなげて

794(延暦13)年、桓武天皇が平安京に遷都。そして、796年に国家鎮護の役割を担う官寺として建立されたのが、[東寺]だ。[東寺]は平安京の玄関にあたる羅城門(らじょうもん)の東側に位置し、当初は西寺(さいじ)と対をなす存在だった。
桓武天皇の後に即位した嵯峨天皇は、唐で密教を学んだ弘法大師空海に[東寺]を下賜する。空海によって講堂や五重塔の工事が進められ、現在まで残る伽藍のもとが築かれた。こうして、真言密教の総本山として信仰されることに。
やがて平安時代末期になると、[東寺]は荒廃する都とともに衰退していく。

復興の兆しが見えるのは、鎌倉時代だ。1233(天福元)年に、運慶の子である仏師康勝(こうしょう)によって弘法大師空海の坐像が完成。1240(延応2)年には御影堂で御影供の法要が始まり、これが弘法市のルーツとなった。
しかし室町時代、あの応仁の乱でも被害を免れたものの、1486(文明18)年の山城国一揆で金堂や講堂、廻廊、南大門が焼失してしまう。
この5年後に、講堂が再建。桃山時代には金堂と薬師三尊像、さらに南大門も再建され、ようやく元通りの姿になった。また、落雷で焼失した五重塔も、江戸時代に再建された姿を今に伝えている。
人々の手で繰り返し再興されてきた[東寺]は、1994(平成6)年12月、「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録された。

7.【その他の建造物】

・御影堂(みえどう)
境内の北西にある御影堂は、かつて空海が住んでいたと伝えられる場所。「大師堂(だいしどう)」とも呼ばれ、後堂(うしろどう)、前堂(まえどう)、中門(ちゅうもん)の3つから成る。南北朝時代の建物は国宝に指定されており、落ち着いた風情が印象的だ。
前堂には、国宝の弘法大師像が本尊として安置されている。また、後堂には大師念持仏の不動明王坐像が祀られているが、秘仏のため非公開。

御影堂では、毎月21日の午前10時から御影供(みえく)が執り行われる。御影供とは、弘法大師空海に報恩感謝する法要のこと。特に空海が入定した4月21日(旧暦の3月21日)の法要は、正御影供(しょうみえく)という。この日は終日、本尊が開帳される。

毎朝6時に始まる生身供(しょうじんく)も、本尊が開帳されるタイミングだ。
生身供では、空海が御影堂に住んでいた頃のように、一の膳、二の膳、お茶をお供えする。誰でも参加可能で、供養料は不要。5時50分頃に御影堂の唐門か西門前に集合し、6時の鐘が鳴り終わったら、御影堂に入って参拝しよう。

東寺 御影堂

御影堂(国宝)

・観智院(かんちいん)
南北朝時代の1359(延文4)年頃に、杲宝(ごうほう)によって創建された東寺の塔頭。ここで杲宝とその弟子である賢宝(げんぽう)が文書類を編纂するとともに、密教の聖教類を数多く収集した。真言宗における勧学院、いわゆる大学の研究室のような存在といえる。
書院造の要素を残す観智院の客殿は、国宝に指定。また、上段の間には宮本武蔵の筆による「鷲の図」と「竹林の図」が描かれている。
さらに客殿の東側に本堂があり、重要文化財の五大虚空蔵菩薩(ごだいこくうぞうぼさつ)が本尊だ。
現在、観智院は通年で公開されている。拝観料は大人500円。一般の写経も受け付けており、筆ペンを貸し出しているとのこと。受付時間は9時~15時まで、納経料として1000円必要。予約は不要なので、気軽に写経を体験してみては。

東寺 観智院

観智院

・南大門(なんだいもん)
南大門は、[東寺]の伽藍配置では正面の門にあたる。かつては仏師の運慶・湛慶作の仁王像が祀られていたが、1868(明治元)年に焼失。1895(明治28)年、平安遷都1100年を記念し、[三十三間堂]の西門を移築することで再建された。桃山時代の建築として、重要文化財に指定されている。

東寺 南大門

南大門(重要文化財)

・庭園
五重塔の北側には、池泉廻遊式の瓢箪池がある。夜間のライトアップでは、夜桜や紅葉、五重塔が池に映り込み、写真スポットとして人気だ。また、初夏になると蓮の花が咲き誇り、まるで極楽浄土にいるかのような景色を見せてくれる。

東寺 瓢箪池

瓢箪池

・食堂(じきどう)
仏教の教えに基づき、僧が生活の中に修行を見出すとされる場所。
平安時代に建立された食堂は、1930(昭和5)年の火災で焼失した。現在の建物は、3年掛けて再建されたものだ。本尊の千手観音菩薩もこの火災によって大きく焼損したため、修復後は[宝物館]に収蔵。現在では、十一面観音菩薩が食堂の本尊として安置されている。
また、堂内には、四国八十八ヶ所巡礼や洛陽三十三所観音霊場などの納経所がある。御朱印の受付もこちら。
2012年からは、食堂で写経を体験できるようになった。受付時間は9時~15時で、食堂にて直接申し込める。納経料は1000円。ただし、食堂で催しや法要がある場合、時間や場所が変更されることもあるので気を付けて。

東寺 食堂

食堂

・宝物館
国宝や重要文化財など、貴重な歴史資料を多数保管し、調査や整理を行っている施設。館内の1、2Fが展示室となっている。年に2回、春と秋の特別公開にあわせて拝観できるので要チェックだ。
開館時間は9時〜17時、受付終了は16時30分となっている。

・小子房(しょうしぼう)
天皇を迎える場であった小子房は、弘法大師空海の千百年御遠忌(ごおんき)にあたり、1934(昭和9)年に再建された。
その西側にあるのが、国宝の蓮華門。空海が晩年に東寺から高野山へと旅立ったとき、不動明王が見送りに現れた。そして、不動明王の足元や歩いた跡に蓮華が咲いたという言い伝えから、この門が蓮華門と呼ばれるようになったそうだ。現在は非公開となっている。

東寺 蓮華門 内部

蓮華門(国宝)内部 ※非公開

東寺 蓮華門 外部

外部から見た蓮華門

・灌頂院(かんじょういん)
843(承和10)年頃、密教の重要な道場として実恵(じつえ)によって建立された。1585(天正13)年の地震で被災した後、江戸時代の1634(寛永11)年に再建。
[御影堂]で行われている御影供も、もとは910(延喜10)年にこの[灌頂院]ではじまったという。重要文化財に指定されており、通常は非公開。

東寺 灌頂院

灌頂院(重要文化財) ※通常非公開

8.【東寺の基本情報】

●京都駅からのアクセス
JR「京都駅」八条口から徒歩約15分

●電車でのアクセス
・地下鉄「九条駅」から徒歩約17分
・近鉄電車「東寺駅」から徒歩約10分

●バスでのアクセス
・市バス19と78系統「東寺南門前」、市バス42系統「東寺東門前」、市バス16系統「東寺西門前」バス停から徒歩すぐ

●基本情報
住所:京都府京都市南区九条町1
電話番号:075-691-3325
公式ホームページ:https://toji.or.jp/

駐車場有。普通車は600円/2時間、2時間以降は1時間ごとに300円
※新春特別拝観中は、特別料金となる。また、毎月21日の弘法市の日は利用不可。

●拝観料
境内は基本的に無料

《通常公開》
【金堂・講堂】大人500円
【観智院】大人500円

《特別公開》
【五重塔初層内部・金堂・講堂】大人800円
【宝物館】大人500円

●開門時間
5:00~17:00(閉門)

●拝観時間
【金堂・講堂】
8:00~17:00(16:30受付終了)

【観智院】
9:00~17:00(16:30受付終了)

【宝物館】※春・秋のみ開館
9:00~17:00(16:30受付終了)

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