[2023]廬山寺・京都御所周辺のおすすめスポット...
2024年のNHK大河ドラマの主人公は紫式部。彼女が書き上げた『源氏物語』にフォーカスした連載。今回は紫式部の邸宅跡として知られる[廬山寺]と平安文化を感じられる[京都御所]を訪れました。
平安時代中期に紫式部によって創作された日本の長編物語。主人公の光源氏を通して、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会が描かれている。
平安時代に起源を持つ[廬山寺]が現在の地に移ったのは、1573(天正元)年頃のこと。かねてより紫式部の邸宅跡と伝えられてきたが、それが考証されたのは1965(昭和40)年だという。
「考古学者の角田文衞博士が古文書を読み解いたことで、この場所に紫式部が住んでいたことが明らかになりました。紫式部の曽祖父である中納言藤原兼輔が建てた邸宅で、彼女は育ったと考えられています」と話してくれたのは[廬山寺]の執事長・町田亨宣さん。
紫式部は結婚した後もこの邸宅に住み続けて一人娘の賢子を育て、一生の大半を過ごしたとされる。源氏物語を始め紫式部日記、紫式部集など多くの作品をここで執筆したことは間違いないだろう。
現在[廬山寺]のある場所は平安時代には平安京の東に位置し、一般には中河(なかがわ)と呼ばれるエリアの中心であった。「かつて寺町通りには川が流れており、源氏物語第11帖『花散里』の巻で、光源氏が訪れる屋敷も中河のわたり(あたり)としてその様子が書かれています」と町田さん。周囲には今も山々や川の美しい景観が残り、紫式部も風情を感じたのだろうかと思いを馳せてしまう。
紫式部はなぜ源氏物語という大作を書いたのだろうか。それは未だに解明されていないものの、夫の藤原宣孝の死後に本格的に着手したといわれている。
源氏物語が評判となり藤原道長の娘の家庭教師として宮中に出入りするようになった後もここを離れず、長い年月を掛けて物語を完成させていった。
境内の源氏庭は白砂と苔を基調とし、専門家によって平安朝の趣を映した庭園が再現されたという。
諸説あるものの源氏物語に出てくる朝顔は現在の桔梗であるとされ、庭園の所々に紫式部の名にちなんだ紫の桔梗が植えられている。暑い季節に可憐な花を咲かせる桔梗を、縁側に座って静かに眺めたい。
本堂には源氏物語絵巻や紫式部日記(ともに国宝・複製)、若紫の掛け軸、源氏物語の場面が描かれた貝合わせなど、紫式部や源氏物語にゆかりのある貴重な寺宝の数々が展示されている。
源氏物語では光源氏が生まれ、多くの時間を過ごしたとされる[京都御所]。1331(元弘元)年に現在の場所に移ったものの、今も建築物などに平安時代の文化が受け継がれている。なかでも注目したいのが、最も格式の高い正殿である紫宸殿。伝統的な儀式を行うために平安時代の建築様式で建てられており、現在の建物では明治・大正・昭和の三代に渡って天皇の即位礼が行われたことで知られている。
建物の内部には即位礼の際に使用する天皇の御座である高御座と、皇后の御座である御帳台が安置されている。紫宸殿の西奥に立つ清涼殿は天皇が日常の住まいとした場所で、平安時代の生活に合わせて復元されたもの。[京都御所]では他にも雅な建築物や庭園などを見学できる。
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