[2023]下鴨神社周辺のおすすめスポット5選
2024年のNHK大河ドラマの主人公は紫式部。彼女が書き上げた『源氏物語』にフォーカスした連載。今回は物語の舞台の一つ、京都の[下鴨神社]を訪れました。
平安時代中期に紫式部によって創作された日本の長編物語。主人公の光源氏を通して、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会が描かれている。
「1400年以上の歴史がある葵祭は、平安時代にも貴族など多くの人が見物に訪れました。源氏物語にその様子が書かれています」と下鴨神社の大塚高史さん。
下鴨神社は上賀茂神社と合わせて賀茂社として信仰され、この賀茂社が平安時代、国と京の守り神であり皇室の氏神であった。源氏物語第9帖『葵』の巻では葵祭の斎王御禊の神事で、光源氏をひと目見ようと訪れた元恋人・六条御息所と正妻・葵の上の牛車が、場所取りを巡り争う。見物客や牛車で場所もないほど混み合う様子からも、下鴨神社や葵祭が当時から人々の信仰を集めていたことがうかがい知れる。紫式部も実際に葵祭の様子を眺めながら、着想を得たのだろう。
こちらの相生社で引ける縁結びのおみくじでもまた、源氏物語の世界に触れられるという。「このおみくじは桐壺や若紫といった源氏物語の五十四帖の巻名が付き、作中で読まれた和歌を元に占うもの。縁結びのご利益も感じてもらえればと思います。」
下鴨神社の参道に広がる糺の森も、源氏物語に登場するスポットだ。「『須磨』の巻で光源氏が須磨に流される前に下鴨神社を訪れ、糺の森で和歌を詠む様子が書かれていますね。都を離れる心境を歌った象徴的なシーンに登場することからも、平安貴族と下鴨神社の強い結び付きが感じられます」と大塚さん。
『憂き世をば 今ぞ別るる とどまらむ 名をば糺の 神にまかせて』という和歌は、辛い世を離れる今、自分に関する噂の成り行きは糺の神に任せようという心情を表現したもの。太古からの原生林の姿を残す緑の中を歩けば凛とした空気に包まれ、心が清められるような気持ちになる。光源氏もそんな思いから歌を残したのだろうか。
世界文化遺産でもある下鴨神社の歴史は古く、紀元前に神社の瑞垣の修復が行われたという記録が残るほど。平安時代には高い社格を与えられ、源氏物語に登場することからもわかる通り、文化の中心地の一つとして栄えた。
五穀豊穣や厄除けのご利益などが信じられており、女性を中心に注目を集める摂社も。祭神の玉依姫命が玉のように美しく美麗の神として崇められる河合神社は、女性守護として深く信仰される。
正式には賀茂祭と呼ばれる、上賀茂神社と下鴨神社の例祭。京都三大祭の一つであり、毎年5月15日に行われる。祭りのハイライトである路頭の儀が、今年4年ぶりに開催予定。斎王代を中心に平安時代の王朝装束に着飾った総勢500名の人々や御所車と呼ばれる牛車などの行列が、京都御所を出発して市中を練り歩き、下鴨神社を経て上賀茂神社へ。
両社ではそれぞれ勅使による祭文の奏上など、社頭の儀が行われる。有料観覧席が設けられる下鴨神社の境内ではこの時期、神紋であり葵祭の象徴である二葉葵の群生も見られるので、そちらにも注目を。
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