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2023.4.26
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下鴨神社

葵祭と糺の森を舞台に描かれた平安の乱世[下鴨神社]/源氏物語ゆかりの地

2024年のNHK大河ドラマの主人公は紫式部。彼女が書き上げた『源氏物語』にフォーカスした連載。今回は物語の舞台の一つ、京都の[下鴨神社]を訪れました。

1.源氏物語って?

平安時代中期に紫式部によって創作された日本の長編物語。主人公の光源氏を通して、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会が描かれている。

2.光源氏を巡る女性の 熾烈な争いが起きた葵祭

「1400年以上の歴史がある葵祭は、平安時代にも貴族など多くの人が見物に訪れました。源氏物語にその様子が書かれています」と下鴨神社の大塚高史さん。

下鴨神社

下鴨神社は上賀茂神社と合わせて賀茂社として信仰され、この賀茂社が平安時代、国と京の守り神であり皇室の氏神であった。源氏物語第9帖『葵』の巻では葵祭の斎王御禊の神事で、光源氏をひと目見ようと訪れた元恋人・六条御息所と正妻・葵の上の牛車が、場所取りを巡り争う。見物客や牛車で場所もないほど混み合う様子からも、下鴨神社や葵祭が当時から人々の信仰を集めていたことがうかがい知れる。紫式部も実際に葵祭の様子を眺めながら、着想を得たのだろう。

下鴨神社のおみくじ

男性用には束帯、女性用には十二単と、平安時代の貴族装束をイメージしたデザインのえんむすびおみくじ各300円

こちらの相生社で引ける縁結びのおみくじでもまた、源氏物語の世界に触れられるという。「このおみくじは桐壺や若紫といった源氏物語の五十四帖の巻名が付き、作中で読まれた和歌を元に占うもの。縁結びのご利益も感じてもらえればと思います。」

3.都を去る前に立ち寄った 糺の森で哀愁の和歌を残す

下鴨神社の参道に広がる糺の森も、源氏物語に登場するスポットだ。「『須磨』の巻で光源氏が須磨に流される前に下鴨神社を訪れ、糺の森で和歌を詠む様子が書かれていますね。都を離れる心境を歌った象徴的なシーンに登場することからも、平安貴族と下鴨神社の強い結び付きが感じられます」と大塚さん。

糺の森

3万6000坪もの広大な糺の森。古木が参道を覆うように立ち並び、夏でも涼やかに歩ける

『憂き世をば 今ぞ別るる とどまらむ 名をば糺の 神にまかせて』という和歌は、辛い世を離れる今、自分に関する噂の成り行きは糺の神に任せようという心情を表現したもの。太古からの原生林の姿を残す緑の中を歩けば凛とした空気に包まれ、心が清められるような気持ちになる。光源氏もそんな思いから歌を残したのだろうか。

4.紀元前からの由緒ある社で美と縁結びも祈願したい

世界文化遺産でもある下鴨神社の歴史は古く、紀元前に神社の瑞垣の修復が行われたという記録が残るほど。平安時代には高い社格を与えられ、源氏物語に登場することからもわかる通り、文化の中心地の一つとして栄えた。

下鴨神社の絵馬

手鏡を模した顔のベースが描かれている鏡絵馬800円を、普段使っている化粧品でメイクアップして

五穀豊穣や厄除けのご利益などが信じられており、女性を中心に注目を集める摂社も。祭神の玉依姫命が玉のように美しく美麗の神として崇められる河合神社は、女性守護として深く信仰される。

下鴨神社のレース守

純白の透かしレースに神紋の二葉葵と藤の文様が編み込まれ、上品な雰囲気の開運招福レース守り2000円

2本の木が1本に結ばれた神木が霊験あらたかな相生社。縁結びや安産、家庭円満のご利益に授かりたい

5.優美な平安装束をまとう王朝行列が4年ぶりに開催

正式には賀茂祭と呼ばれる、上賀茂神社と下鴨神社の例祭。京都三大祭の一つであり、毎年5月15日に行われる。祭りのハイライトである路頭の儀が、今年4年ぶりに開催予定。斎王代を中心に平安時代の王朝装束に着飾った総勢500名の人々や御所車と呼ばれる牛車などの行列が、京都御所を出発して市中を練り歩き、下鴨神社を経て上賀茂神社へ。

葵祭

両社ではそれぞれ勅使による祭文の奏上など、社頭の儀が行われる。有料観覧席が設けられる下鴨神社の境内ではこの時期、神紋であり葵祭の象徴である二葉葵の群生も見られるので、そちらにも注目を。

『葵祭』

  • 開催日/2023年5月15日(月)
    場所/京都御所、上賀茂神社、下鴨神社
    ※京都御苑と下鴨神社に有料観覧席有

下鴨神社(賀茂御祖神社)

  • しもがもじんじゃ(かもみおやじんじゃ)
  • 京都府京都市左京区下鴨泉川町59
  • 京阪「出町柳駅」から徒歩6分
  • Tel.075-781-0010
  • 6:30~17:00
  • 無休
  • 拝観料/無料
  • 駐車場有
  • https://www.shimogamo-jinja.or.jp/
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