司会者から、復帰戦で森さんがオーバルに戻ってきた時の心境を聞かれた穂坂監督は、「涙、涙です。走る前から泣いていましたけど（笑）、ぶっちぎりの1着で戻ってきてくれて」と、当時の心境を語った。森さんは「まさか僕も1着になると思っていなくて。レース直前で弱気になってしまった」と告白。

だが、復帰戦直前に送られたメッセージに「勇気づけられたんですよね」と監督が明らかにすると、森さんは「『負けてもいいよ』って、『人生、死ぬまでチャンスがあるから』って慎吾ちゃんから。つよぽんも、『復帰できたら勝ちだよ』って言ってくれて。そこでプレッシャーがなくなって、楽しんで行こうと思えました」と照れ笑い。

「足の痺れは一生治らないらしい」と笑うが、走り続けようとする努力は並大抵のものではない。その原動力を司会者から尋ねられ、「オートレースがすごく好きだってことと、（元SMAP）5人の存在ですね。5人が頑張ってくれているから、僕も頑張ろうって気持ちになる」と答えると、会場のファンは涙ぐむ様子も。

また、続編に向けて撮り続けていることが明かされると、会場からは拍手が。「今は撮影で週に２〜３回は会っているから、そろそろ会いたくないと思われているのでは」と監督が心配するが、実際は飲みにいったり、カラオケにも行くほどの仲の良さだという。司会者から「森さんの十八番は何ですか？」と聞かれ、「『笑顔の元気』だよね。私は『君色思い』が好きです。上半身は振り付けありですよ」と監督が話すと、ファンのボルテージがあがり「歌って！」と声援が飛んだ。

ファンからの質問に答える場面で「森さんが人に優しく強くいられるのは？」と聞かれ、「病院の先生にも聞かれたんですよね。辛い時も楽しい時も、痛みも、全てを経験してきたから人に優しくできるのかなって思います」と答えるが、ファンから「SMAPだからだと思います！」と返され、「その一言だよね！」と苦笑い。会場は拍手と温かい空気に包まれた。

その後は、「感謝の気持ちを込めて」と、お客さんを一人ひとり、監督と森さんがお見送り。

最後に、監督から「映画になったことも、森さんが舞台挨拶にきてくれたことも、オートレースを守りたいからという思いからだと思います。森さんを応援するのはもちろんのこと、オートレーサー森且行をこれからも応援してほしいです。レース場にも足を運んでいただいて、車券をほどほどに買っていただいて（笑）、オートレース場が存続できるように応援し続けてもらいたい」と、熱く語った。

森さんは「オートレースを盛り上げるために、こうやってファンの皆さんの前にきた時は、また遊びにきてほしいと思います。これからも一生懸命走りますので、少しでも応援してもらえたら嬉しい」とメッセージ。

『TBSドキュメンタリー映画祭 2023』は、2023年5月12日（金）〜5月25日（木）まで開催される。他にも上映作品があるので、公式サイトをチェックしてぜひ劇場へ。

『オートレーサー森且行　約束のオーバルへ』
監督：穂坂友紀 ／ 1時間20分
2021年1月の落車事故。それは「5ミリずれていたら即死していたかもしれない」「一生車椅子生活になるかもしれない」大事故だった。5度の大手術、両足麻痺の後遺症。それでも、森且行は再び歩くことを、再び走ることを諦めなかった。壮絶なリハビリ、心にあるSMAPの仲間たちへの思い、現実を知って頭をよぎったもう1つの選択肢。50歳目前、ゼロから再起を目指す2年間の闘いを追ったドキュメンタリー。

［アップリンク京都］での上映日／2023年5月18日（木）、5月21日（日）、5月25日（木）

『TBSドキュメンタリー映画祭 2023』特別料金／一般1500円、シニア（60歳以上）1300円、ユース（19歳～22歳）1000円／アンダー18（16歳～18歳）800円、ジュニア（15歳以下）500円